●HOME > 患者のみなさまへ/もやもや病支援センターのご案内 > もやもや病支援センターの取り組み

患者のみなさまへ

もやもや病支援センターの取り組み

もやもや病支援センターは、もやもや病を持つ患者さんの専門外来(脳神経外科)のほか、学習や高次脳機能に関する相談や治療(神経心理外来)、妊娠・出産に関する対応(産婦人科)、医療費助成に関する相談窓口(医務課保険福祉掛)、遺伝子相談専門外来、てんかんや不随意運動に対する専門的治療など、患者さんを多角的に支援すること(“トータルサポート”)を目的に、京大病院に設立されました。

もやもや病の診療・研究

京都大学脳神経外科のグループは、1970年代に日本で初めてもやもや病患者さんに対してバイパス手術を行って以来、多くの患者さんの治療に携わってきました。
もやもや病は患者数の少ない病気であるため、一般の病院ではそれほど多く診療を経験することなく、経験の豊富な特定の施設に多くの患者さんが集まる傾向があり、京大病院脳神経外科はそのひとつです。
毎年全国あるいは海外から数十名の患者さんが新規受診されています。

このような豊富な経験をもとに、遺伝子研究もふくめた病因や病態の解明、手術法の開発、小児の患者さんが成人した後の長期フォローなど、より安全で有効な治療を患者さんに提供するための取り組みを絶えず行ってきました。

また、京都大学は厚生労働省のもやもや病研究班の中核的なメンバーであるため、出血型もやもや病の治療方針策定の研究をはじめとして、妊産婦脳血管障害、もやもや病における高次脳機能障害、病気進行を予測する遺伝子研究など、多くの施設との共同研究の中心的な役割を担ってきました。

もやもや病と学習・高次脳機能

もやもや病は一時的な手足の麻痺症状や、脳梗塞、脳出血で発症します。
バイパス手術などの治療法の向上により、これらの症状を抑えることが可能になり、日常生活を大きな支障なく過ごせる患者さんが増えています。
その一方で、手足の麻痺や感覚の障害がないにもかかわらず、記憶・注意力の低下、物事を計画立てて行うことが困難になる、感情や行動を抑えるのが難しくなる、などの症状により、就学や就労に悩む患者さんもいらっしゃいます。
これらの症状は高次脳機能障害と呼ばれますが、今まであまり顧みられることがなく、症状に悩む患者さんへのサポートも十分ではありませんでした。
就学期の患者さんの場合には、漢字が覚えられない、計算が苦手、といった学習の障害を認めることもあります。

当院では、高次脳機能障害にお悩みのもやもや病患者さんに対して、専門のスタッフが神経心理学的検査などを行い、適切な治療や社会的サポートが受けられるような取り組みを行っています。
また、もやもや病における高次脳機能障害の特徴や、診断に有用な神経心理学的検査や画像検査を明らかにする研究にも取り組んでいます。

小児もやもや病患者さんへの就学支援

小児もやもや病の患者さんの中には、学校生活や学習などに不安や悩みをもつ方もいらっしゃいます。
また、特に就学前に発症した患者さんの場合は、小学校入学に際してのご心配を保護者の方から多くお聞きします。
当院では、専門のスタッフが小児の知能検査や認知機能検査などを実施し、必要に応じて学校や関連機関への情報提供や、保護者・学校教諭・医療スタッフが集まるカンファレンスを行っています。
これにより、患者さん一人ひとりにあった支援方法を考え、手術が終わってからも安心して日常生活や学校生活に臨めるような取り組みを行っています。
また、当院では、小児もやもや病の高次脳機能障害に関する研究にも取り組んでいます。

もやもや病と妊娠・出産

もやもや病をもつ妊産婦では、特に未診断例(実はもやもや病であるけれど、まだその診断がついていない患者さん)において、妊娠・分娩中の脳出血や脳梗塞のリスクが上昇することが知られています。
既に診断・治療がなされているもやもや病の妊産婦では、一般に安全に妊娠・出産を迎えていただくことが可能と考えていますが、血圧管理や過呼吸への対応など、専門的な管理が求められます。
当院では、産婦人科と脳神経外科が協力し、多くのもやもや病患者さんの妊娠・出産に携わっています。
もやもや病の妊産婦に対しては多くの施設で帝王切開分娩が選択されています。
しかし、もやもや病の妊産婦において帝王切開が経腟分娩に比べて安全であるという医学的根拠は今のところありません。
当院でもやもや病患者さんが分娩する場合は、分娩時の血圧変動や過呼吸を回避するために麻酔科と連携して無痛分娩を24時間体制で長年提供しており、安全に出産いただいています。

もやもや病の医療費助成制度について

もやもや病には、申請手続きをすれば、医療費の自己負担額を少なくできる制度(医療費助成制度)があります。
保険福祉掛では、患者さんの年齢やお住まいに応じた申請方法をご案内いたします。詳しくはこちらをご覧ください。

もやもや病の遺伝子

京都大学脳神経外科は環境衛生学分野との共同研究で、RNF213遺伝子の変異がもやもや病の発症リスクを高めることを発見しました。
RNF213の特定により、もやもや病の病態解明は大きく前進しましたが、全てが解明された訳ではありません。
この遺伝子の変異をもつ方全員がもやもや病を発症するわけではありません。
またもやもや病は、親から子どもへ必ず遺伝するという病気でもありません。
遺伝子検査から得られる情報の解釈には、専門的な知識が必要です。
当院では、専門知識を持った医師や遺伝カウンセラーによるサポート体制を整えて、対応に当たっています。
お気軽に専門外来医師までご相談ください。

当院の研究グループは、RNF213がどのように病気の発症に関わっているのかを解明するため、現在も精力的に研究を行っています。
より正確な診断や、新しい治療法の開発につなげ、皆さまのもとへ届けられたらと考えています。

ページのトップへ [PageTop]
京都大学医学部附属病院 〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 TEL.075-751-3111(代表)
※病気や健康法に関するご質問などにお答えすることはできませんのでご了承ください。